不動産登記は,大切な財産である土地や建物に関する情報を公の帳簿(登記簿)に記載し,これを一般公開することにより,権利関係などの状況が誰にでもわかるようにし,取引の安全と円滑をはかる役割をはたしています。
所有権移転登記
売買や贈与によって,土地や建物の所有権が移転した場合,新たに所有権を取得した者が,第三者に対して自己が所有者であることを主張するためには,あるいは所有権を喪失した前所有者が,第三者に対して自己が所有者でないことを主張するためには,所有権移転登記を申請しなければなりません。
土地や建物の所有権が移転したにもかかわらず,所有権移転登記をせず放置しておくと,新たに権利を主張する第三者が現れたり,当事者に相続が発生するなど,権利関係が複雑になる虞があります。また,相続による所有権移転についても,所有権移転登記をせず放置しておくと,相続人に新たな相続が発生し,相続登記に関与する相続人が増えたり,相続関係を証する公的証明書の保存期間の経過により,相続登記手続が複雑になる虞があります。
土地や建物の所有権が移転したときは,速やかに所有権移転登記を申請されるべきかと思われます。
抵当権抹消登記
土地又は建物に設定された抵当権が弁済等により消滅した場合には,抵当権の抹消登記を申請する必要があります。住宅ローン等を完済し,金融機関から抵当権の抹消登記に必要な登記識別情報や委任状等が郵送されてきた場合には,速やかに抵当権の抹消登記を申請されることをお勧めします。